OPEN LAB.

私たちトキ・コーポレーションの日々の取り組みをもっと皆様にご覧いただくための活動 それがOPEN LAB.(オープンラボ)です。

光で距離感を作っています ~ CILQ ユーザーズインタビュー ~

「日本人が真に求める新フレンチを目指して」 というコンセプトを掲げ、ジャンルを超えた新しいフレンチの価値を提供する南青山の人気レストランCILQ。今回、マネージャーの荒谷公太郎氏、店舗デザインを担当した佐藤貴光氏にお話を伺い、運営側と設計側それぞれの視点から「レストランにとっての照明と空間」について語っていただきました。 

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骨董通りからほど近い大人な空間 CILQ

 

箸を出すフレンチレストラン

-CILQはどんなお店でしょうか

荒谷 「日本人に合ったフレンチレストラン」をコンセプトにしています。フレンチは一時期非常に人気がありましたが、現在は低迷している状況です。フレンチは緊張する、堅苦しい、味付けが濃く、量が多い。一度食べに行ったら「フレンチは2、3ヶ月はいいかな」。日本人にはそんなイメージがついている気がします。ですが、フレンチは本当は素晴らしい料理です。そこで「体に優しいフレンチ」をテーマに、日本人が食べやすいフレンチレストランを作ったら面白いのではないか? と思い造られたのがCILQです。バター、生クリームを多用せず、もたれない、あっさりした味付けで、「来店頂いたお客様が2週間後に、また食べにいきたと思わせるフレンチ」を目指しています。

-料理以外にも日本人に合わせた工夫がされているんですか

荒谷 はい。フレンチレストランですが、テーブルクロスはひきませんし、お箸も常に出しています。食器には日本人に馴染み深い有田焼や美濃焼も使っています。ラグジュアリーな雰囲気だけれども、お客様を必要以上に緊張させない工夫をしています。

-思っていたよりリーズナブルでした

荒谷 私たちは決して高級店を狙っているわけではありません。実際にコースを注文して頂ければ分かりますが、当店はディナーで5,000円と8,500円の2コースでやっています。ワインを飲んでも1万円前後で楽しんで頂けます。しかし、普段フレンチで2~3万円払っているお客様が、当店にお越しいただいても十分に満足いただける。そんな料理と空間を提供したいと考えています。

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CILQマネージャーの荒谷公太郎氏

 

実際に光を見比べて検証

-CILQをデザインする際にどのような事を考えましたか

佐藤 フレンチレストラン独特の堅苦しい空間ではなく、カジュアルでありながら趣きのある落ち着いた空間を目指しました。CILQも他のグループ店同様に、照明計画は空間デザインのとても重要な要素ですので、常に照明デザイン会社(muse-D様)とジョイントして計画しています。このCILQのスペースは昼夜のシーンを照明で変化させていますので、たくさんの照明器具が使われています。

-照明は白熱ランプとLEDが使われています。

佐藤 実は、私はまだLEDを信用していないんです。LED照明が一般的に使われる様になって10年位ですよね。本当に、身体に影響ないのかという心配があるんですよね。それは私自身の経験ですが、LED照明の空間に長時間居ると何だか落ち着かない事がよくある事ですから、、、 ですので、テーブルの上など、お客様がダイレクトに光を感じる場所には白熱ランプ。間接照明、演出照明等、ダイレクトに光が当たらない場所をLEDと使い分けています。

-LEDにはまだ問題があるということでしょうか

佐藤 はい、それ以外にも従来のLED照明器具では、調光しても色味が変わりません。これはランチ、ディナー等いろいろなシーンの雰囲気作りにには問題でした。ですので、CILQの間接照明は白熱ランプのように調光すると色温度も自然に変化するタイプを採用しました。

-調光して色温度が変わる器具は他にもありますが、なぜ色温度変化アドバンテージXFを採用したのでしょうか?

佐藤 決定にあたっては、照明デザイン会社の提案があり、各メーカーの器具を取り寄せ、実際の光を比較し、CILQの空間にフィットする照明はどれか検証しました。アドバンテージXFは、他の製品と比べて光のドットが出にくく、色味が白熱ランプに近い印象を受けました。実は色温度変化アドバンテージXFは、以前にも他のグループ店でも使用経験がありましたので、光のまわり方もある程度分かっていました。

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店舗デザインを担当した佐藤貴光氏

 

 

昼と夜で空間の雰囲気を変える

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ランチタイムの店内は調光せず明るい雰囲気

 

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ディナータイムは暗くし、赤みを帯びた光で落ち着いた雰囲気


-照明はどんな運用をしていますか

荒谷 ランチタイムは調光しないで明るい雰囲気に、ディナータイムは20%程まで暗くして、ムーディーな雰囲気にしています。昼と夜の両方の雰囲気を、この器具一つで出来るのは楽ですね。

-なぜ夜の時間は暗くしているのでしょうか

荒谷 夜は暗くすることで、隣のテーブルとの距離感を出す様にしています。ランチと同じ様に明るいと周りが見えすぎてしまうのです。昼と夜で客層が全く違います。ディナーはランチと違いカップルが多いです。その為プライベート空間を重視しているお客様がたくさんいらっしゃいます。そこで光を暗くすることで、隣のテーブルと距離感を出しています。逆にランチはお客様の9割以上が女性です。仲間内でワイワイ楽しい雰囲気なので、ディナーと違いあまり周りの目が気にならない。さらに昼は店内に太陽の光が入るので、照明を明るくしないとお店の中が暗く見えてしまう。ですので、明るい光にしています。シーンによって隣のテーブルとの距離感を変える際に、この照明は非常に便利なんです。

-照明以外にも距離感に必要なものはありますか

荒谷 実は当店ではスピーカーが一部屋ずつ使われています。部屋と部屋の間にスピーカーを置き、音で壁を作っているんです。 これも照明と同じで距離感を出すためです。
佐藤 音楽も有線ではなく、お店の雰囲気にあったものを集めて営業中に流しています。音楽、内装、照明など雰囲気作りにとても気を使ったお店なんです。

-細やかなこだわりが多いんですね

荒谷 青山はレストランがとても多く、その中で選んでもらうためには、何かしらお客さまの琴線に触れなければなりません。料理が美味しいのは当然で、それ以外に雰囲気、サービスなどの何かしらの武器が必要です。当店では「日本人のための新フレンチ」という言葉を掲げています。これは和食とフレンチを融合した創作料理というものではありません。料理はあくまでフレンチです。ただ、日本人の味覚に合わせたフレンチを追求した結果、和の食材を取り入れた料理を提供しています。そして、日本人らしいちょっとした気遣い、おもてなし感を大切にしています。例えば、トイレはゆっくり落ち着けるように完全防音システム、冬でも寒くない様に床暖房を設置、空調はお客さんに直接風があたらない様に工夫しています。そうした私たちのこだわりを気に入っていただけるお客様に集まってもらいたい、そう考えています。

-本日はお忙しいところ貴重なお話ありがとうございました。 次回は妻とディナータイムに来てみたいと思います。

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CILQ(シルク)
住所:〒107-0062 東京都港区南青山5-16-5 MA FIVE 1F
TEL :03-6418-1199
アクセス:表参道駅から徒歩7分
HP:http://cilq.jp