前回からお送りしている「トキラックスEVO」の製品紹介。
今回も設計者の話を中心に、よりディープな製品づくりの裏側に迫っていきます。
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進化への試行錯誤
-EVOのユニット連結スタイルは設計当初から考えられていたのですか?
トキラックスEVO設計者(以下設計者) はい。ただ初期の頃は、もっと従来のトキラックスに見た目は近いものでした。
設計者 試作品を見た人の意見も取り入れつつ、徐々に今の形に近づいていった感じです。従来品より小さい器具にしていく上では、自社製品のアドバンテージXFやトキラムもヒントになりました。
電子部品に最低限確保しなくてはいけない大きさがあって、最初のうちはもっと横幅も高さもあったんですが、内部構造の簡易化を図り、コンマ数ミリ削っていくような設計変更を何度も繰り返して、最終的にこの大きさと軽さになりました。
クリップのひみつ
設計者 器具固定に使用する取付クリップにもこだわりがあって、所定の位置を押しこむと簡単に外れるのですが、ランプを引っ張っただけでは外れません。もちろん限界はあるのですが、工夫してかなり外れにくくなっています。
この設計のヒントはカプセルトイから貰いました。最近のカプセルは色々な構造で作られていて、観察してなるほどな…と。
スライド機構
設計者 灯具と電線の接点部分がスライドするようにしているとお話しましたが、スライドするということは接点が固定できない。固定しないと電気が流せない…。ある時、とある文房具から着想したアイディアをもとに発展させ、スライド機構を成立させました。
EVO裏話アレコレ
-製品名は開発当初から「トキラックスEVO」だったのですか?
設計者 設計段階では「トビー」と社内 で呼ばれていました。某番組に出てくる機関車の名前が由来なのですが、型番よりわかりやすくて浸透していました。私の中では「機関車」より「電車」のイメージが強いのですが(笑)。
そこから最終的には、トキラックスの"進化版"ということで、今のトキラックスEVOという製品名になりました。
-EVOならではの使い方とかありますか?
設計者 カタログ記載の通り曲げる時の角度は45°となっていますが、この状態で連結していくとちょうど5ユニットでUの字を描けるようになりますし、8ユニットあると円を描けます。
最大80ユニットまでなので、その中でなら自由に描けますよということです。
施工してみて灯具が長ければ、テープライトと同じようにカットして短くすることもできます。
ヒントが玩具な理由

設計者 設計のモチーフとしては、電車玩具の他に民芸品の“ヘビの玩具”、1個1個を連結させ、いっぱいつながってグニュ~って曲がっていく感じもイメージとして入っていたりします。
アイデアを育む意味でも日常で色々なものを観察することを大切にしています。
玩具好きとお話ししましたが、以前所属していた部署では玩具関係の仕事も多かったんです。そこで培ってきたものが照明器具の開発にも大いに活かされていると感じています。
ですから、こうして造ったものが、今度は皆さんの自由な発想を生み出す手助けになれば嬉しいです。
細かな部分まであらゆる試行錯誤のうえ開発された"トキラックスEVO"。
色温度変化タイプや別配光タイプなど製品バリエーションも検討しているとの事。
乞うご期待です。
▶Product info
トキラックスEVO